中国を知る会「漢方で健康な体作り講座」が開催されました


11月3日(日)文化の日、産業労働センターで「漢方で健康な体作り講座」が開催されました。講座は23名の来場者を迎えて定刻10時に始まりました。

講師の三矢京子(ケイコ)先生は日本では数少ない中国漢方の専門家(中医師と言います)で、市内狭山台で長年に亘り「薬眞堂薬局」を経営していらっしゃいます。
先生は冒頭で「漢方には、古来5~6世紀に日本に伝来し、江戸時代に研究が進んだ日本漢方と、現在も中医で処方される方剤(ほうざい)の二種類があり、先生は「方剤」を扱っていらっしゃるのだということでした。そして国際中医A級専門員という国家資格も取得されています。

中医学では健康と病気の違いを「陰と陽のバランス」と考えること、健康は「正気(せいき)の充実」、病気(疾病)は「正気の虚弱」と捉えるそうです。西洋医学では、病気を体の一部分の不具合として、その部分を治療するだけですが、中医学では身体全体の「血の流れ」「水液の流れ」「腎(先天の精=命の源)の状態」などによって身体の悪いところを探し出し、その状態を治す効果のある薬(方剤)を処方するとのこと。歳を取るに従って、以上の3つの流れと機能が衰えることで身体のあちこちに不具合が生じるのだということです。
次に、“風邪(ふうじゃ)は万病の素”(中医学による風邪の予防と治し方)~風邪はひきはじめが肝心。~予防には「正気」を高めておくことが必要であるそうです。

<風邪の3つのタイプと処方する方剤(薬)について>

①風寒型…寒い風邪:寒気、鼻水、節々の痛み⇒麻黄湯、葛根湯、桂枝湯

②風熱型…暑い風邪:のどの痛み、口が乾く、熱っぽい、発熱 ⇒銀ウ散、天津感冒片

③風湿型…下痢や吐き気のある風邪:身体がだるい、重い ⇒勝湿顆粒

*風邪の予防には、「マスク・うがい・手洗 い+板藍根」がよい

以上、大変詳しく中医学上の「健康と病気」の関係、歳を取ることの意味、そしてこれから冬に向けて「風邪」についての説明や対策を教えて頂き、アッという間の90分でした。
三矢京子先生、どうもありがとうございました。

杭州市交流部会 草野喜実勝 記

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